アブラハム・ダービー Abraham Darby 1985 イギリス David Austin
アプリコット色の大輪のバラ
アブラハム・ダービーの一番花。オレンジ色が強めのアプリコットピンクの大輪花である。整った形で咲き始め、徐々にカップ咲きになり、終わり頃は内側がややルーズになるがカップの形は保っている。
迎えたのが2017年6月なので、春の花は初めてである。5月5日頃咲き初め、5月24日時点では終わり頃だが、まだポツポツ咲いている。
香りも強く、フルーツ系だが濃厚で甘い香り。
隣のセプタードアイルとともに、クロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)に好まれつぼみがいくつもやられたが、株が大きく花付きもよいので寂しいことにはならなかった。
品種によってバラゾウムシの被害状況が異なるのは、開花時期の違いが大きいのだろうか。我が家では、開花が遅めのセプタードアイル、アイスバーグ、アブラハム・ダービー、レディ・エマ・ハミルトンなどの被害が大きかった。しかし、リッチフィールドエンジェルも開花が遅めだが、それほど被害に合っていないような気がする。
成長が早い
2017年6月、コマツガーデンの実店舗ロサヴェールで大苗を購入。庭の南側フェンス沿いに地植えした。隣はセプタードアイルとリッチフィールドエンジェル。根付いてからの成長ぶりはなかなかのもので、1年目の秋の花も数は少なめだが花径の大きさには驚いた。
耐病性も強い方で、あまり心配したことはない。植栽場所の日照はあまりよい方ではないが、もっと日照が悪い場所でも大丈夫そうである。シュートも何本も出て、枝は太めだがつる性で、どんどん伸びる。今年の春の芽吹きもよく、一番花がほぼ終わった今見てみると、株元からシュートが何本も出てきている。
我が家では木でパーゴラ風のものを作り誘引しているが、今年はどこまで伸びるだろうか。
予想以上に頼もしいバラである。
ウィリアム・モリスと少し似ているが
花だけをアップで撮った写真を見るとウィリアム・モリスと似ているように見える。実際に見ると、ウィリアム・モリスより花径が大きく、内側の花弁の重なり具合もルーズな感じで、間違えることはないだろう。色合いも下の写真の花は似ているが、実際は、アブラハム・ダービーは外側の花弁に様々な色が混じることがあるし、褪色したときの感じも異なる。
どちらも生育旺盛だが、ウィリアム・モリスの方が細い枝が多く、葉が多く、樹形はあまり似ていない。
名前の由来は
アブラハム・ダービーの名は、産業革命の進展に寄与したイギリスの製鉄業者の名前にちなんでいる。
カタログなどの写真を見ていたときには美しいバラのわりに無骨な名のようにも感じたが、育ててみると、この生育旺盛さは可憐なお姫様ではないなあと、ちょっと納得した。