セプタード・アイル Scepter’d Isle 1996 イギリス David Austin
ピュアなピンクのバラ
セプタード・アイルの一番花。シベの見えるカップ咲きの美しい中輪花である。
2018年は5月6日頃咲き初めた。まだ株が充実しておらず枝葉も花も少なめなうえ、一番花のつぼみの半分ほどをクロケシツブチョッキリ(バラゾウムシ)にやられてしまった(泣)。頭にきたので、こまめに見てかなり捕殺した。
残った貴重なつぼみがようやく咲いてくれて嬉しかった。透明感のあるピンク色の花弁がふんわり開く。咲き初めはややピンク色が濃く、咲き進むと淡くなっていく。アプリコットや青みの混じらない、きれいなピンク色である。
我が家のバラの中では遅めの開花。5月22日時点で、まだ一番花は終わっていない。花持ちはあまりよくない方だが、最後まで形が整っており、どこか静謐な雰囲気がある。
植栽場所の日照はあまりよくない
2017年6月に、篠宮バラ園で大苗を購入。庭の南側のフェンス沿いに地植えした。隣家の陰になるので南側でもそれほど日照はよくない。テスオブザダーバヴィルとアブラハムダービーの間の場所である。アブラハムが生育旺盛なので、少しその陰にもなっている。セプタード・アイルは比較的耐陰性が強いという情報があったので、この位置にした。
成長ぶりは
1年目の成長はゆっくりめな印象だが、何本かのシュートはかなり伸びた。ブッシュ仕立てにするつもりで、冬剪定で短めにしておいた。
春先の成長はやや遅め。花弁の数も、カタログの写真などより少なめに見える。隣のアブラハムダービーが巨大化しつつあるので、余計に成長が遅く見えるのかもしれないが。
葉の数が少なめな割にはつぼみの付きはまあまあだったが、バラゾウムシにかなりやられてしまったのが惜しまれる。セプタード・アイルは他のバラよりもバラゾウムシの被害が多かったのだが、バラゾウムシに好まれる品種なのか、つぼみがつく時期がバラゾウムシが増える時期と重なったせいなのかは、よくわからない。
枝は細めで、花の後にシュートが伸びるので、本当はコンパクトなつるバラとして扱う方が自然な気がしている。もう既にかなり伸びた枝があり、隣のアブラハムダービーの支えにとめてある。景観的にはブッシュがあるとよい位置なので、どう仕立てていくかちょっと悩ましい。
耐病性は中程度以上とされている。昨年8月~10月の長雨のときには黒星病が少し出て、今年の春はうどんこ病が少し出ているが、株が弱るほどではない。強めの品種なのに病気になってしまうのは日照不足気味のせいもあるかもしれないが、条件があまりよくない場所の割には、しぶとく育っていると思う。
強香種らしいが、今のところ香りの印象はあまりない。株が充実してくると、もっと香ってくれるだろうか。
名前の由来は
シェークスピアの「リチャード2世」の中の台詞にちなむ。scepter は、王権(の象徴のつえ・笏)、isle は、島(文語)の意味で、Scepter’d Isle は「王が統治する島」というような意味。「リチャード2世」を読んでいないので、バラのイメージと合うのかよく分からないが、イメージと異なる人名などが付けられるよりも却ってよいのかもしれない。