昨年も今年2019年も暑い夏で、蚊も多く、バラの世話はついついさぼりがちであった。
今年(2019年)特に多く感じる害虫
バラを育てていて感じるようになったが、その年の天候によって、バラの育ち方も害虫の被害も異なるものだ。今年はカミキリムシ(ゴマダラ、シロスジ)が多くて、枝の表面もかじられたし幼虫(テッポウムシ)に根元の木の中もかじられてしまった。
気にしてみていると、昆虫の発生は、気温や雨量や産卵する植物の成長のタイミングなどによって、かなり左右されるようだ。全部のタイミングがあうと大発生するし、タイミングが合わないと殆ど発生しないこともある。大発生した年は卵が多いので、翌年も要注意である。山の木の実も、受粉する昆虫が少なかったり、昆虫の発生と開花の時期が合わないと、不作になる。
アブラムシは毎年多いが、今年の春は特にバレリーナに大発生していた。また、昨年の秋は全然といってよいほどいなかったので、「秋にもアブラムシが増えるというけれどもそうでもないなあ」と思っていたのだが、今年は10月に入ると、アブラムシを見かけるようになった。
カイガラムシ(バラシロカイガラムシ)も、春にテスオブザダーバヴィルにびっしりついているのを発見した後、何度か幼虫を見かけた。一旦増えると、卵がたくさんあるのだと思うが、何とか根絶したいものだ。
カイガラムシの幼虫
春の新芽の頃に、テスオブザダーバヴィルについていたカイガラムシ(バラシロカイガラムシ)は念入りにこすり落としておいたが、その後7月に、別の場所に植えてあるローゼンドルフシュパリースホープに、カイガラムシの幼虫(多分)がびっしりついていたのを見つけた。
気色悪いが、こんな風に増えるのか、と分かった。何でもそうだが、見たことがない物は見つけにくく、見慣れた物はぼんやり見ただけでも気づきやすい。成虫になりたてのようなカイガラムシがついていたら、その近くは要注意である。
秋になり涼しい日が増えると、花がら切りをしながら見回ることが増えたが、10月中旬に、今度はジャクリーヌ・デュプレでカイガラムシの幼虫を発見した。枝ごと切って捨て、他のバラも見回った。
すると、またまたローゼンドルフシュパリースホープでカイガラムシの幼虫を発見。白い部分は分泌物で、茶色や薄茶色の小さいものが虫本体。
念のためテスオブザダーバヴィルを見ると、そこにもカイガラムシの幼虫を発見。殺虫剤(ベニカXファインスプレー)をかけておいた。
その後も引き続き警戒していると、数日後にまたまたテスオブザダーバヴィルにカイガラムシの幼虫を発見。よく見ると、何カ所かついていた。
念のため、近くのバラも見てみると、隣のセプタード・アイルにも幼虫がいたが、その隣のアブラハムダービーにはいないようだった。植栽場所や品種や株の状態にもよるのだろう。
テスオブザダーバヴィルもセプタード・アイルも、カイガラムシの幼虫がいたのは、切らずに残す枝だったので、殺虫剤(ベニカXファインスプレー)をかけておいた。
その後も、テスオブザダーバヴィルやローゼンドルフシュパリースホープに幼虫がいることがあったので、ガムテープで捕ってみたりもした。ローゼンドルフシュパリースホープはトゲがそれほど多くなくて、枝の表面に凹凸が少なめなので捕りやすかった。テスオブザダーバヴィルも、無理矢理ガムテープをくっつけると、意外と捕れた。試しに成虫になりたてのものにもガムテープをつけてみると意外とくっついてきた。ガムテープにくっついたのを見ると、茶色い点々が見え、これがカイガラムシ本体なのだなと思った。
やはり見回りは重要だ。カイガラムシの幼虫が出る時期が大体分かったので、来年以降も気をつけようと思う。
また、殺虫剤が効くのは幼虫の一時期のようなので、今回やった殺虫剤があまり効かないようだったり、見逃していたりしたときのために、冬の剪定・誘引の際に成虫退治(こすり落とし)もしなければならないだろう。
毎年多く感じる害虫
チュウレンジハバチの幼虫も、よく見かけるバラと、そうでもないバラがある。
シャトードゥシュベルニー、オデュッセイア、ヘレンなどではなぜかあまり見かけない。よく見かけるのは、バレリーナ、アルテミス、ルドゥテ、ローゼンドルフシュパリースホープ、スピリットオブフリーダムなど。バレリーナは、葉の小ささと形から、チュウレンジハバチに気づくのが遅れがちである。他の品種は、見回っていれば気づきやすいが、高いところにいると退治しづらいのが困る。見つけたら葉や枝ごと切って廃棄するか、殺虫剤(ベニカEXスプレーやキンチョールE)をかける。
産卵箇所を見つけたら、針やツマヨウジで卵をつぶすこともできるが、やりすぎると枝を傷めてしまう。その場所を覚えておいて、孵化直後に殺虫剤をかける方が簡単かもしれない。
下の画像は、春のアルテミスだが、大体秋もこんな感じでチュウレンジハバチの被害がある。花の左側の葉は葉脈だけ残っており、花の右側の葉は食害中である。
クロケシツブチョッキリは、捕っても捕ってもいる。
大体どのバラにもつくが、多く感じるのは、ロココ、ヘレン、ヤングリシダス、アイスバーグ、レディオブシャーロットあたりだろうか。これは捕殺するしかないようで、春の新芽の時期と、秋の新芽の時期は要注意である。見回りを頻繁にしていると毎回何匹か捕れるが、毎日捕っていると、さすがに被害は減ってくる。本には、水を張った容器に落とす方法が載っているが、容器を持っていると機動力が減る気がするし、準備していないときに見つけることもあるので、私は、左手を添えながら右手でつまんで捕っている。触るとすぐ落っこちるが、殆どは左手で受けられる。枝を叩いて、透明ビニール傘で受ける方法も試してみたが、枝や葉の茂っているバラは、ビニール傘がうまく入らないところが多かった。
発生時期に退治するとあまり見かけなくなる害虫
毛虫の類は、春はあまりおらず、8月末頃から9月一杯くらいが要注意である。葉をよく見ていると、食べられているのが分かるので、殺虫剤(ベニカXファインスプレー、キンチョールEなど)をかけている。
ヨトウムシは、春の新芽の頃と秋の涼しくなった頃に何度か夜に見回るとよい。昨年秋と今年の春にたくさん捕殺したら、今年の秋は大分減ったようだ。
便利なスプレー殺虫剤
バラの育て方の本にもよく紹介されているが、スプレータイプの殺虫剤も手軽で便利である。我が家でも、ベニカXファインスプレーは常備している。効果のある害虫が多く、ハバチ、ケムシ、コガネムシ、カイガラムシあたりをカバーしているので重宝である。
ほかに、カミキリムシ用に園芸用キンチョールEも使っている。