ルージュピエールドロンサール Rouge Pierre de Ronsard 2002年 フランス Meilland
クリムゾンレッドのゴージャスなバラ
深いカップ型、花弁の多いロゼット咲きの美しさにうっとりする。香りはダマスク香とあるが、今のところあまり感じられない。葉は、つやのある濃い深緑でクリムゾンレッドとのコントラストも美しい。
咲き進んでも深いカップ咲きの花はあまり乱れず、褪色も少なく、長く楽しめる。
選んだのは夫
2017年の5月に東京都調布市の神代植物公園のバラ園で、咲いている姿を見た。
また、同じ2017年に第19回バラとガーデニングショーの売店に並んでいたのも見た。
2017年の春頃、家の北東の植栽スペースにもう1株植えたいがどのバラを植えようか迷っていた。秋から初春にかけては日照が悪く日陰の時間が長くなる場所なので、丈夫で耐陰性が普通以上のつるバラをと考えていた。
そこへ、夫が一押しだったのがこのルージュピエールドロンサールである。神代植物公園で見て、結構気に入っていたらしい。
四季咲き、ラージフラワードクライマー(LCl)やシュラブと表記されている。耐陰性はよくわからないが耐病性も樹勢も強いので何とかなるかも。イングリッシュローズなどとは少し雰囲気が異なるが、隣のバラはローゼンドルフシュパリースホープだし、濃い色もよいかな、夫の希望もいれてみようと、ルージュピエールドロンサールに決定。
すくすくと成長
2017年5月下旬に、バラの家オンラインショップで新苗を購入。
新苗だが、まあ大丈夫だろうと、購入後すぐに地植え。根付くと順調に育ち、蕾もつきはじめたが成長を優先して摘蕾。秋に出てきたシュートはすぐに2mほど伸びた。ルージュピエールドロンサールは、フェンスに誘引するつもりだったのでシュートはみな伸ばしておいた。
2018年2月頃、伸びた枝をフェンスに誘引。太い枝は固くてあまり曲がらず、折れないように慎重に斜めにして麻ひもでしばり、1週間後くらいにもう少し倒してできるだけ横方向に誘引した。枝は剛直で誘引しづらくて、作業中は根元で折れないようにとひやひやした。
2018年の春、新芽が出て葉が茂ってきたが、蕾は少なめ。やきもきしていたが、これ以上はあまり増えなかった。北東角の場所で11月頃から2月頃は日当たりがよくないのが影響しているのだろうか。しかし、そのわりには頑張っていると思うし、3月頃から10月頃は午前中にまあまあ日が当たる。ひょっとすると、伸びてきたベーサルシュートに養分がいっているのだろうか。
下の写真の中央付近、根元近くからベーサルシュートが出てきているのが見える。根元近くから立派な芽が出てあっという間に60㎝ほどに伸びた。このときから既にもとの枝よりも太いので心配していたら、後ですごいことになった。
下の画像は咲き初めの花。咲き進んでも丸いカップ咲きはあまり崩れない。散らずにそのまま枯れていく。花弁が多くうまく開花しないものもあり(ボーリング)、特に開花途中に雨が降ったりするとよくない。株を充実させ、花数を多くすると開きやすくなるようだ。花は非常に美しく、1輪でも存在感がある。
うどんこ病にはやや強い方、黒星病には普通とされているが、これまでのところ病害虫には殆ど悩まされることはなく、元気に育っている。2018年の春から夏にかけては気温が高い日が多かったせいか、新芽に少しうどんこ病が出たのだが、成長につれて直っていった。チュウレンジハバチもアブラムシもほかのバラより被害が少ない。クロケシツブチョッキリも、見回って捕殺することで被害は最小にとどめることができた。かなり丈夫な品種という印象である。
少し咲き進んだ様子。10日ほどでシュートが約20㎝伸びた。隣のピンクのバラはローゼンドルフシュパリースホープ。
赤いピエール・ドゥ・ロンサール?
ピエール・ドゥ・ロンサールは、有名な殿堂入りのバラ。ブラン・ピエール・ドゥ・ロンサールはその枝変わりだが、ルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサールはピエールの枝変わりでもなく、交配親も無関係である。ちなみに、ピエール・ドゥ・ロンサールは、16世紀ルネッサンス期のフランスの詩人の名。
名称にピエール・ドゥ・ロンサールが含まれるのは、花型が似ているのと、メイアン社の販売戦略というか自信のバラなのだと思うが、丈夫な四季咲き、花も美しいとなれば人気がでるのもわかる。
何となくだが、かわいらしさや甘さがあまり感じられないところが、わりと男性に好まれるような気がする。