オデュッセイア Odyssiea 2013年 日本 木村卓功
格好いい黒赤のバラ
2019年春のオデュッセイア。ヘレンやヤングリシダスと同じく5月6日頃に開花が進んできた。オデュッセイアはフェンスの外側に向かって咲くので、咲き始めてすぐには気づかないことが多い。
蕾はかなり黒く、開花すると濃い赤色が美しい。咲き進むと褪色していくが、最後まで美しさを保っている。花径は8㎝程度と紹介されているが、花弁が少ないせいか、若干小さめに感じる。花付きはまあまあで、房咲きで次々に開花する。花持ちは、まあまあである。
香りはダマスク系と紹介されているが、これまであまり香りの印象がなかった。ところが、他のバラが終わってきて、ウィリアムモーリスとオデュッセイアだけが咲いているときに、周辺にとてもよい香りが漂っていたのを感じたのだ。両方香っていたようだが、よく確認してみるとオデュッセイアの香りは落ち着いた甘いバラらしい香りだった。ジャクリーヌ・デュプレも、花に顔を近づけたときよりも周辺に漂っている香りを感じるが、オデュッセイアもそういうタイプなのだろうか。
下の画像のバラは、少し色が飛んでしまった。実際はここまで白っぽくない。赤系のバラは撮るのが難しく、元の色合いがうまく出ないことがよくある。晴れた日は特に色が飛びやすい。
深い色合いと花が大きすぎないせいか、甘いというよりは、格好よい雰囲気のバラだと思う。
他のバラとの競演
近くに植えてあるのは、ウィリアムモリス、ヤングリシダス、ヘレン。色合いも花の形も樹形も異なり、それぞれに存在感がある。
ウィリアムモリスとオデュッセイア。
ヤングリシダスとオデュッセイア。どちらも独特の色合いが気に入っている。下の画像の右下の柵の近くのオデュッセイアが、実際の色合いに近いと思う。
我が家のロサオリエンティスのバラ。ヘレンとオデュッセイア。
どちらも、ホメロスの叙事詩にちなんだ名。ヘレンはトロイア戦争を引き起こした絶世の美女。オデュッセウスは、トロイア戦争をギリシアの勝利に導いた知将。トロイア戦争の後、オデュッセウスが故郷のイタケーに帰還するまでの旅を語った叙事詩が「オデュッセイア」。
3年目の今年は
オデュッセイアは2017年の春に購入し、3年目に入る。これまでの成長は、比較的ゆっくりだった。近くのウィリアムモリスやヤングリシダスの成長が早く、少し陰になったりしたせいかもしれない。
1年目に出たベーサルシュートは太く硬くて、細かな誘引はできず、やっとのことで、斜めに倒した。今年はその斜めに倒した枝から花芽が出て、枝が少ない割にはそこそこの花数となった。
耐病性は強いはずだが、我が家の株はわりと黒星病で弱ってしまうことが多いようだ。今年も、既に黒星病の症状が出ている葉がある。ヤングリシダス、ウィリアムモリス、ヘレンは、黒星病に罹ってもそれほど調子を落とさずに、新しい葉を出し花を咲かせる。オデュッセイアは、もともと葉が多くないせいか、回復に時間がかかるのかもしれない。
暑さにも強いはずだが、2017年の8月は雨ばかり、2018年は6月頃から8月まで猛暑で、どのバラも弱ってしまい、オデュッセイアも動きが止まってしまった。いくら暑さに強いといってもバラには酷な気候だったので、仕方がないだろう。
今年は、5月半ばを過ぎてもどのバラも調子がよさそうなので、このまま元気でいってほしい。