レディ オブ シャーロット 2018年春の花

レディ オブ シャーロット Lady of Shalott 2009 イギリス David Austin

透き通るようなオレンジ色のバラ

レディオブシャーロットの一番花。大きなカップ咲き、オレンジ色の素晴らしい花である。花の色は、外側が赤みを帯びており、咲き進むにつれて透き通るような淡いオレンジ色になり、最後はアプリコットに近い色になる。花の形は崩れることなく、咲き終わりまで非常に美しい。

花付きもよく、秋までよく咲くが、花持ちがそれほどよくないのが少し残念である。

迎えて2年目の2018年は、4月末に咲き始め、5月13日には一番花の終盤を迎えている。

順調に成長

2017年6月に、篠宮バラ園で大苗を購入。庭の西南角、道路に面したフェンスの近くに地植えした。根付いてから順調にシュートが出てきて、葉は小さめだがよく繁り、1年目から何度も美しい中輪花をつけた。

強健種と紹介されているとおり、生育にあまり不安な点はない。2017年8月から10月の長雨には黒星病が少し出たがあまり弱ることはなく、今年の春もうどんこ病が出た枝があるが、株全体に影響が出るほどではない。

ポール仕立て

大きなブッシュ状になるようだが、我が家では、1年目に伸びた枝をポールに巻き付けるように誘因した。シュートは1年目の終わりには2m近く伸び、枝はつるの性質があり細めで柔らかいので、コンパクトなつるバラとして扱える。

つるバラとして仕立てると、やはりオレンジ色のレディ エマ ハミルトンとの違いがはっきり出る。

花だけを見るとレディオブシャーロットとレディエマハミルトンはかなり似ているので、両方を迎えるか迷ったのだが、結果的には非常によかった。この2つの植栽場所は少し離してあり、仕立て方も違うので、普段はあまり似ているとは思わないほどである。

レディオブシャーロットはポール仕立てにしたこともあって、外出から帰るときも、家の中から窓越しにもよく見える。気がつくとぼんやり眺めており、何となく癒やされる。下の写真は道路側から撮影。隣はジュードジオブスキュア、さらに左側はマルクアントンシャルポンティエ。

近所の人からも「この色いいですよね。」と言われることがあり、なかなか目立っているようである。

庭が明るくなる

賛否はあると思うが、我が家のバラは、赤、濃いピンク、ピンク、白、クリーム色、黄色、オレンジ色と多彩である。もちろん配置には気を配っている。

花色を白系で統一したりするのも素敵だと思うが、いろいろな色があるのはとても楽しい。

特に、オレンジ色のバラは、庭全体がぱっと明るくなるような存在感がある。こちらの気持ちまで明るくなるような気がする。

名前はアルフレッド・テニスンの詩から

レディオブシャーロットの名は、19世紀イギリスの詩人アルフレッド・テニスンのアーサー王伝説のエピソードをもとにした詩にちなんでいる。このシャーロット(Shalott) は島の名で、シャーロット王女などの人名のシャーロット(Charlotte) とはスペルが異なる。

シャーロット島の城には、呪いをかけられた姫君がただ独り住んでいる。姫君は外の世界を鏡に映る像で見るだけで、もっぱら織物を織る日々を過ごしている。しかし、恋人たちが語り合うところを鏡で見て以来、自分の生活に飽き足りなさを感じる。ある日、シャーロット島の近くを、誉れ高い円卓の騎士サー・ランスロットの一行が通りかかる。シャーロットの姫君は、サー・ランスロットの立派な姿を鏡で見て、思わず機を織る手を止めて窓に走りより、その目でさらに見ようとする。そのとき鏡が真横にひび割れ、姫は「呪いが我が身に!」と叫ぶ。死すべき運命を悟ったシャーロットの姫君は城を出て、サー・ランスロットが向かっていた、アーサー王の都キャメロットの方を見つめる。近くにあった小舟に乗って鎖をとき、姫君は舟底に身を横たえる。姫君を乗せた小舟は川を漂い出てキャメロットの方にたどり着くが、シャーロットの姫君は既に息絶えていた。というのが詩の概要である。

悲しい詩とはうらはらに、バラのレディオブシャーロットはオレンジ色に光り輝いている。でも、この明るい色は、シャロット姫がサー・ランスロットをその目で見た瞬間の陽光の色なのかもしれない、城の中で鏡越しにしか外を見られない影のような呪いの生活を終わりにして、シャロット姫は満足していたのかもしれないと、ふと思った。

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