金沢の米沢茶店の「棒茶 加賀いり茶」を買った。これでしばらく安心だ。
子供の頃、番茶といえばほうじ茶のことで、家では一年中日常的に飲んでいた。祖父母の家でも、学校や公共施設でも、やかんにほうじ茶を作ってあった。茶の湯もさかんな地域なので、成長するとお抹茶を飲む機会も多かったが、普段のお茶といえば番茶=ほうじ茶だった。
それが当たり前だったので、よその地域では、ほうじ茶をこんなに日常的には飲まないということを知ったのは、比較的最近のことだ。しかも、加賀棒茶が、普通のほうじ茶とは少し違うと知ったのもこれまたごく最近のことだ。
加賀棒茶
加賀棒茶は、茶の茎の部分を集めて焙煎したほうじ茶である。
茎の部分を焙煎しているのが加賀棒茶の特徴なのだとは、実はわりと最近まで知らなかった。なにしろそれを飲んで育ったので、当たり前すぎたのだ。
東京のスーパーマーケットでほうじ茶を買ったときに、茶葉が細かいのが気になり味も好みでなかったのだが、安かったから仕方ないのだろうという程度に考えていた。一般的なほうじ茶は、焙煎の苦みというか焦げた味や香りが強く、のどにえぐみも感じて、それが気になる。
加賀棒茶は、香ばしいが味や香りの焦げ感は少なく、あっさりしていて味わいや甘みがあり、のどごしがやさしい。季節をとわず、おいしく飲めるお茶である。何とでも合うと思うが、ぱっと思い浮かぶのはどら焼きかな。
普段飲むお茶でありそれほど高価ではないので、金沢に旅行した際に、お土産として買うのもおすすめである。
米沢茶店
調べてみると、加賀棒茶では加賀市の丸八製茶場が有名なようであり、評判もよい。金沢駅の百番街や東京のエキュート品川でも買うことができる。しかし、残念ながら丸八製茶場のお茶は飲んだ記憶がないので、コメントできない。
私が個人的に好きなのは、金沢の米沢茶店の「棒茶 加賀いり茶」である。
米沢茶店 石川県金沢市東山2-20
米沢茶店の「棒茶 加賀いり茶」は、一番茶のみを使用し、独自の方法で焙煎したもので、香ばしさと甘みとしっかりした味わいがある。
夫も初めて飲んだときから「うまい」と言っていたが、私が米沢茶店の「加賀いり茶」が好きなのは、子供の頃から飲んでなじんでいるということも大きいのかもしれない。
子供の頃、茶葉を切らしたりしてよその店の棒茶でお茶を淹れてあると違うお茶だと気づいたものだが、加賀棒茶でも店によって味は結構違う。何となくだが、米沢茶店の棒茶は、飲んだことがある他の棒茶よりも常温でもおいしい気がする。淹れ立ての香りが飛んでも、香りや甘みや味がしっかりしているように感じる。
米沢茶店は、浅野川大橋のたもとに店がある。金沢の観光地として有名な東の茶屋街からも近いので、茶屋街の観光の折に買うことができる。他に店舗を出していないので、近くに行ったときには、是非寄ってみるとよい。
また、ホームページに記されている電話、FAX、メールで連絡して、送ってもらうこともできる。その場合、メールかFAXで、商品名、数量、送り先住所、氏名、電話番号などを明記して連絡すると間違いがなくてよいだろう。2回目以降は、届いたお茶に同封されている注文用はがきで注文することができる(2018年11月時点)。
支払いは、届いた商品に郵便送金用紙と伝票が同封されており、伝票に記載されている代金と送料の合計額とその他の必要事項を郵便送金用紙に記入し、郵便局の窓口かATMで支払う。
飲み方
米沢茶店の加賀いり茶には、お茶の淹れ方や分量の説明などはついていないので、好みの淹れ方で飲む。
急須で淹れて熱いうちに飲む場合、2人分300mlに棒茶を大さじ1杯くらいの見当だろうか。私は常温で飲むのも好きなので、ホーローのポットに作り置きするのだが、その場合は800mlから1ℓに棒茶を大さじ2杯くらいの見当で淹れ、そのまま置いておく。茶葉はけちけちしない方がよいが、多く淹れすぎても風味のバランスが悪くなる気がする。お湯はとにかく熱いのがよく、沸騰後しばらくぐらぐら沸かしたくらいの熱湯がよい。
たくさんつくるときに、不織布のお茶パック袋を使っていたこともあるが、袋の匂いが気になるので、最近は袋などに入れず茶葉をそのままポットに入れている。茶葉が気になる場合は、飲むときに茶こしを使うとよいだろう。
寒い季節には、熱いほうじ茶で暖まりたい。