今回は、AEG BP8314001M オーブンの感想。これも少し前の機種であるが、使用感などを書いておこうと思う。
AEGはドイツの大企業であったが、東西ドイツの統一後、家電部門はスウェーデンの企業エレクトロラックスに買収され、現在は、エレクトロラックスのブランドの一つAEG-Electrolux となっている。
最近AEGのホームページを見たら、ビックカメラでAEGの製品の販売が開始されたようだ。
オーブン遍歴
子供の頃家にあったものも含めると、AEGの前に1台のオーブンと3台のオーブンレンジを使ったことがある。どれも電気で、ガスオーブンは使ったことがない。
子供の頃家にあった東芝製の電気オーブンは、でっかいオーブントースターみたいなシンプルなものだったが、庫内は広めで、上下ヒーターの一方を切ることができて、焼き色の加減などに便利で、お菓子やパンは大体は思いどおりに焼けていたと思う。
その後の2台のオーブンレンジは電子レンジがメインで一応オーブンがついているというような下位機種。パンやケーキは時間通りに焼き上がることはなく、焼き上がりもあまりよくなかったので、オーブンとして使う頻度は少なかった。
オーブンとしても比較的使いやすかったオーブンレンジは、三菱電機 石窯オーブン(三菱オーブンレンジ RO-EV10)。これは、オーブンの熱源が上下ヒーター、温度が100℃~320℃と高温になるほか、30℃~45℃の4段階の発酵用の温度設定もあり、庫内のファンにより熱風が庫内を回る2段オーブンの使い方もでき、スチームの機能もあるもの。電子レンジとしては、ターンテーブルがないタイプだったが、特に不都合はなかった。
後継機種がなくて残念である。
考慮した機能や選択の決め手
凝った菓子や料理は作らないものの、オーブンとしては、加熱がしっかりでき、発酵温度の設定があり、庫内が広めのものがよかった。電子レンジは、ご飯や牛乳の温めに使うくらいなので、温まればよいという程度である。マニュアルで設定するのが好きなので、自動メニューは使うことが殆どない。
当時の国内メーカーのカタログは一通り検討し、デロンギやツインバードなども検討した。シンプルな上下ヒーターのものでも構わなかったのだが、そういったタイプのものは発酵温度の設定がなく、庫内が狭かったり低かったりなどの点でものたりなかった。検討した中では、東芝の石窯ドームの上位機種が候補にあがったものの、加熱の不安などから今ひとつ踏み切れずにいた。
ミーレやAEGのオーブンは最初はまったく考えていなかったのだが、食洗機を検討した流れでオーブンも検討対象に加わってきた。ミーレやAEGのオーブン(専用)は、発酵温度の設定があり、200Vで上下ヒーターと庫内ファンにより加熱性能は十分、庫内も広いということで、オーブンに求める条件は満たしている。問題は、場所をとることと価格が高い(設置工事費もかかる)ことであったが、電気オーブンでパワー重視となると国内メーカーのビルトインタイプとの比較となり、考えようによっては価格の差は少し縮まる。
結局、総合考慮のうえ、最後は清水の舞台から飛び降りるつもりで(表現が古い)、AEG BP8314001M オーブン単体の機種にしたわけだが、決め手は、オーブンに求める要素を満たしていること。さらにいえば、オーブンを買うのは、これで最後かもしれないので外国メーカーのビルトインオーブンを使ってみたくなったというのが本音かもしれない。
AEG BP8314001M 基本仕様
- 電源 200V 50Hz/60Hz
- 設置方法 ビルトイン
- 消費電力 3680W
- 外形寸法 幅594×奥行き567×高さ594(mm)
- 重量 42.5kg
- 温度 30℃~300℃(使用モードにより設定可能温度は異なる)
- プレート固定位置 5段階
- 主な付属品 グリルプレート1、浅型プレート2、深型プレート1、CTセンサー
ミーレはAEGよりもさらに高いのであきらめて、設置工事も食洗機と同じ業者に依頼して、なるべく費用を抑えるようにした。オーブンが大きい上に、電子レンジも別になった(これまでのオーブンレンジを電子レンジとしてそのまま使用)ので場所をとるが、これも仕方がないので、レイアウトに頭をしぼってやりくりした。
まあ電子レンジ一体型だとオーブン使用中に電子レンジが使えないので、置き場所さえあれば別々の方が便利ではある。ミーレのショールームなどで聞いたところでは、オーブン専用機種とオーブンレンジ一体機種と両方購入する人もいるそうで、うらやましい話である。
AEGのオーブン 感想あれこれ
ミーレのショールーム、ミーレとAEGの試食会にも行ってみた限りでは、基本性能や使い勝手はAEGも問題はなさそうだった。しかし、ミーレ(Miele)には熱烈な愛好者がいて、ブログの記事などもあったが、AEGは使い勝手の情報が殆どなくて(最近はあるかも)、買う前には少し不安もあった。
さて、AEGのオーブンを使った感想はというと、満足しているが、まだ使いこなせてはいないというところである。使う頻度は、使わない週もあれば、3回くらい使う週もある。
思った以上によかったのは、庫内が広い点だろうか。ミーレもそうだが、容量74Lで天板の面積も高さも十分にあるので、高さのあるシフォンケーキやパンも、オーブン対応の鍋でも余裕がある。天板も広いので、クッキーなども1回でたくさん焼けるし、焼き皿やグラタン皿も何枚も載せられる。また、庫内が広いと、焼くものの温度が全体的に早く上がるような気がする。
加熱パワーは文句なしで、機能は思ったよりもいろいろあり、使ったことのない機能もまだ多い。普段よく使うのは、上下調理(Conventional Cooking)。これは上下ヒーター加熱で、通常のオーブンの使い方でよい。パン、クッキー、パイ、プディング、シュークリームなどの菓子や、ローストビーフ、チキンや野菜のオーブン焼きなど、大体レシピどおりの時間で、よい感じに焼き上がる。トレイ(天板)を入れる位置は5段階あり、説明書にもどの段を使うか目安が書かれているが、上に焼き目を付けたいか、底をしっかり焼きたいかなどによって2~4段のあたりで自分で調整している。アップルパイなども、底がしっかり焼ける。
トゥルーファン調理(True Fan Cooking)は、庫内のファンが回って熱風が庫内を回る加熱モードで、コンベクションオーブンと同じ機能である。三菱の石窯オーブンも庫内のファンが回るタイプだったが、AEGはずっとパワーがあり、上下調理よりも20~40℃低く設定する。うまく使えば短時間調理や複数段調理が可能で、説明書にも温度と加熱時間の目安が載っているが、慣れも必要なようで、何度か使ってみたが時間の設定が思った以上に短くてよく、焼きすぎになることが多かった。付属のレシピを見た感じでは、分量が少ないからのようだ。目下研究中である。
グリル(Grilling)、強力グリル(Fast ~)、ターボグリル(Turbo ~)は上ヒーター加熱、底面ヒーター調理(Bottom Heat)は下ヒーター加熱と、上下のどちらかだけの加熱モードもある。グリル機能は上下調理から切り替えて使ったことがあり、焼き色の調整に便利だが、高さが5段階あるので、上下ヒーターのまま天板の段を変えて調整する方法で十分なことも多い。
パン生地発酵(Dough Proving)は40℃固定で、手を入れた感じでは結構熱いので、途中で切ったりして使っている。
オート調理の機能は、レシピオート調理、重さオート調理、CTセンサーオート調理がある。レシピオート調理は付属のレシピどおりに作る場合に使える。重さオート調理は、肉の重さにより焼き時間が調整される機能で、CTセンサーオート調理は、付属のCTセンサーと器具で肉の中心部の温度を測りながら加熱する機能である。
CTセンサーオート調理は、ローストビーフを焼くときに使ってみたら、なぜか加熱時間が長くなりすぎて、加熱しすぎになってしまった。試食会ではCTセンサーオート調理は便利だと聞いていたので、肉が小さすぎたのか(600gくらい)、何が悪かったのかよく分からないのだが、いずれまたやってみるつもりである。
予熱にかかる時間は200℃の設定だと概ね12分前後かかるようだが、お菓子や料理の準備にとりかかるときなど事前に予熱を始めれば、特に待ち遠しいということはない。スピード予熱機能もあるが、あまり使ったことはない。
やや使い勝手が悪いのは、機能を選んだり時間を設定するのに、タッチパネル切り換えで行う点で、途中で温度を変えたいときなど、少し面倒である。AEGのオーブン料理の試食会で聞いた話では、一つ前の機種まではダイヤル方式だったのがタッチパネルに変更になったということで、外観はすっきりしたものの、ユーザーからは評判がよくないらしい。オーブンに限らず最近の家電などのスイッチはタッチパネルが主流なので、そのあたりはあきらめが必要なのかもしれない。
また、外国メーカーの製品なので仕方のない点かもしれないが、タッチパネルの表記は英語で、説明書も分かりづらい部分があるが、表示の絵で何となく分かる部分も多く、使っているうちに慣れてくる。
付属のレシピ
説明書と同じ体裁の付属のレシピ本「調理ブック」のレシピは、分量や材料が日本の一般的な家庭では使いにくい。例えば、用意する牛の骨付き肉が1.5㎏とか、子羊のもも肉2.7㎏とか、うさぎ肉2羽とか。重さオート調理も、適した重さが、例えばトリの丸焼きなどでは、鶏(ニワトリ)900g~2.1㎏はまだよいとしても、七面鳥1.7~4.7㎏とか、ガチョウ2.3~4.7㎏とか。ケーキは、レシピオート調理のレシピが載っているが、使用するケーキ型が角形で長さ30㎝とか、丸型で直径28㎝とかなり大きく、材料も、リングケーキで小麦粉500gとか、ブラウニーでバター250g、小麦粉250g、クルミ375gなど、パーティーでもしないと食べ切れなさそうだ。
日本のユーザー向けに別のレシピ本も付いてきたが、まだ作ったことがない。
試食会でもらったレシピは参考になったので、ホームページで公開されているレシピなどを随時チェックするのもよいかもしれない。
チキンをマリネして焼く、ズッキーニ、パプリカ、ナスなどを適当に切ってチーズを載せて焼く、というだけでも、ラクなわりに結構おいしいので、そんな使い方が多い。