2018年10月、「四季の香ローズガーデン」に行ってみた。香りをテーマとした特色のあるバラ園で、面積が狭い割には多くの品種が植えられている。入園料は無料なので気軽に入ることができる。
場所は、東京都練馬区光が丘5丁目、四季の香公園内。最寄り駅は都営大江戸線の光が丘駅。2018年10月6日(土)から28日(日)まで、秋のフェスティバル期間中である。
四季の香りローズガーデン公式サイトはこちら 休園日:火曜 入園料:無料
立地、アクセスなど
光が丘は高層集合住宅の並ぶ団地であり、隣接して光が丘公園という広い公園が整備されている。四季の香りローズガーデンは、光が丘公園の一画、「四季の香公園」内の温室植物園の跡地に新しく整備された小規模なバラの公園である。「四季の香ローズガーデン」とは別に、ハイブリッドティーを中心に植えられた「バラ園」もすぐそばにある。
都営大江戸線、光が丘駅A4出口から、歩いて約6~7分。四季の香公園の入口から入って、右の方向に少し歩いた先にある。
10月13日に行ってみると、まだ見頃には少し間がある様子だった。終わり頃のバラもあれば、ポツポツ咲き始めた株もあり、蕾だけの株もある。でも、せっかく来たので、じっくり見ることにした。
香りをテーマとしたガーデン
同じ品種のバラをたくさん植えてあるのではなく、一品種につき1株というものが多い。また、ガーデンの名称に「香」とつくだけあって、香りで有名なバラが多い。実際には、咲いて時間が経ったりしていたせいもあるのか、香りがすぐわかるものもあれば、あまり実感できないものもあった。
ラパリジェンヌ。デルバールの四季咲きの強香種。オレンジ系のグラデーションが華やか。
レスポワール。ギヨーのフロリバンダ。ブルーローズ香。
ブルドゥネージュ。ブルボン種、ダマスク香の返り咲きのバラ。
ヒーリング。コマツガーデンのミルラ香のバラ。波打つ花弁が美しい。
ボレロ。メイアンの人気品種。素晴らしいフルーツ香。
真夜。河合伸志2011作出のダマスク香の美しいバラ。色合いと整った形が目を惹く。
ゲーテローズ。タンタウのダマスク~フルーティの強香種。2017年国際バラとガーデニングショーでも、印象に残ったバラ。
マイスタージンガー。忽滑谷史記(ぬかりやふみのり)2015年作出のブルー系の香りのバラ。整った形も美しい。
バラの飾り。
オールドブラッシュ。モダンローズに四季咲き性をもたらした品種の一つ。香りは弱い。殿堂入りのオールドローズ。
ジャストジョーイ。殿堂入りのモダンローズの大輪種。
スレイターズ・クリムゾン・チャイナ。モダンローズに四季咲き性をもたらした古い品種の一つ。香りは弱い。
スヴニール・ドゥ・ラ・マルメゾン。ブルボン種、ダマスク系の香り。殿堂入りのオールドローズ。
ブリリアントピンクアイスバーグ。アイスバーグの枝変わりで香りは弱いが、たくさん咲いており華やか。
ピンクアイスバーグ。これもアイスバーグの枝変わりで、香りは弱い。門のそばに何株か植えられており、たくさん花をつけていた。
スキャボローフェア。デビッド・オースチンの、ティー・ローズ系の中香のバラ。半八重咲きの透き通るように軽やかな花弁が美しい。
ロサ・エグランテリア。一季咲きの古い品種。雨後や若葉を指でこすると青リンゴの香りがするらしい。オレンジ色の実がかわいらしい。
園内にはハロウィンの飾りもあり、楽しい雰囲気。
次の週に再訪
10月13日に訪れたときには蕾がたくさんついている株も多かったので、次の週末に再訪してみた。前回よりも咲いているバラが多かったが、まだ蕾のものも多く、これからも咲きそうであった。秋バラは、開花時期があまりそろわないものなのかもしれない。
ラローズドゥモリナール。デルバールの強香種。フルーティーな香りにダマスク、スパイス香が混ざる。
レディ・ヒリンドン。強いティー・ローズ香。アプリコットの色合いが美しい。
スプリングコサージュ。ティー・ローズ香のフロリバンダ。
シェエラザード。ロサ・オリエンティスのフロリバンダ。ダマスク~フルーツ香。花付きがよい。
イヴピアジェ。メイアンの大輪種。ダマスクの強香。豪華。
ダブルデライト。ハイブリッドティー。柑橘系のフルーツ香。華やか。
アイズ・フォーユーとマリ・パヴィエ。いずれもスパイス系の香り。アイズ・フォーユーは、中心が赤い2009年の品種。マリ・パヴィエは、小さめの花のオールドローズ。
かおりかざり。國枝啓司2012年作出のハイブリッドティー。フルーツ香。
パウルクレー。忽滑谷史記2014年作出のダマスク~フルーツ香のフロリバンダ。暖かみのある色合いで、整った形も美しい。
ボスコベル。デビッド・オースチンのフルーツ~スパイス系の中香のバラ。
セントセシリア。デビッド・オースチンのミルラ~フルーツ香のカップ咲きのバラ。写真では少し青みがかっているが、実際は少しアプリコットがかったピンク色。
マミーブルー。デルバールのフルーツ~ブルー系の強香種。周囲にも甘い香りが漂っていた。
ヴィオレパルフュメ。ドリュのブルー系の強香種。
モリリュー。デビッド・オースチンのムスク~ティー・ローズ香のバラ。
水盤にバラが。
園内案内図。
ほかにも、ナエマ、ソニアリキエル、ローズ・ポンパドゥール、ポール・ボキューズ、アライブ、シャンテロゼミサト、夜来香、ウィンダミア、アンブリッジローズ、ミセスジョンレイン、シルバーシャドウズ、オデュッセイア、フォー・ユアホーム、などなど植えられている品種は多様である。イングリッシュローズの強香種、シャリファアスマやエブリンは見当たらないようだったが。
面積は狭いので、神代植物公園などのように広いバラ園を予想して行くと、あてが外れるかもしれない。しかし、バラの種類は多いので、バラ愛好家には十分楽しめる空間となっていると思う。
オールドローズは一季咲きのものも多いようで、オールドローズのエリアは咲いているものが少なかった。春にも是非来てみたい。
おまけ。バラ以外の植物もきれいで、雰囲気がよい。ムラサキシキブ。
おまけ。四季の香公園内、少し離れたエリアの「バラ園」の「宴」。こちらは、王朝、紫雲など、ハイブリッドティー系のバラが見事だった。