2020年3月も末の東京。桜の満開も例年よりも早く迎え、昨日も24度まで気温が上がり、初夏のような暖かさだったのに、今日は雪。
朝から昼過ぎまで降り、少し積もった。
雪を見ると、子供は大喜びである。子供がはしゃいで庭に出て、足跡をつけて遊んでいるのを見ていて、何となく、「あとかくしの雪」という話を思い出した。
あとかくしの雪
冬のある日、ある村の貧しい男が、旅人から一晩の宿を頼まれる。泊めてやることにしたものの、食べるものがない。仕方がなく、よその家のかこいから大根をとってきた。さらさらと降る雪が、その足跡を隠した、というのがあらすじである。
絵のイメージが殆どないので、国語の教科書で読んだのではないかと思う。
記憶では、上に述べたあらすじ程度のあっさりした語り口で、静かな夜にしんしんと雪の降る情景が浮かぶのは、挿絵の記憶ではなく、自分の記憶の中の実際の雪の夜の光景である。
検索してみたところ、谷真介作、赤坂三好絵の絵本や、大川悦生作、太田大八絵の絵本があるが、どちらも読んだことはない。テレビアニメーションの「まんが日本昔ばなし」でも、この話の放送があったようだが、「まんが日本昔ばなし」はたまにしか見なかったし、アニメのあらすじで紹介されているシビアな話の記憶もない。
手元にないのでたしかではないが、おそらく私が読んだのは、木下順二の再話によるものだったのではないかと思う。旧暦の11月23日の大師講という民俗行事や、この日には必ず雪が降るという言い伝えに関わる話のようだ。
雪が降るのを見ると、よく思い出す話である。
バラに雪が積もる
昨日までは暖かかったので、バラは例年より早く芽が育ってきていた。葉もかなり繁り、花芽も出て、品種や植えた場所の日当たりによっては、結構蕾が大きくなってきていた。
そこへこの雪。
予報されていたので、対策をしておくべきだったかもしれないが、柔らかい新芽が伸びているところに何かで覆いをしても、それで枝が折れるかもしれず、難しいところである。
バラもアブラムシも、びっくりだろう。
雪が小やみになったときに、積もった雪を落としてやったが、テスオブザダーバヴィルは枝が少し折れてしまった。他のバラも、くたっと下を向いている。
それでも、雪がやんでしばらくすると、どんどんとけてきて、枝も少しもとに戻ってきた。水分の多い雪なので、とけるのも早い。
オリーブの木も、枝が柔らかいのか随分枝垂れてしまっていたが、雪を落としてやり、後で見てみると、枝が起きてもとの姿に少し戻ってきていた。
バラの花芽や蕾にダメージがなければよいが。