ヘレン Helen 2016年 日本 木村卓功
ロサオリエンティスの注目のバラ
2017年の国際バラとガーデニングショー、ロサオリエンティスの出店場所で天井近くに展示されていた、2016年新品種。咲き始めはやや高芯咲きに近い整った形で、咲き進むとロゼット咲きになる。咲き始めから終わり頃まで目を惹く美しさである。
国際バラとガーデニングショーで見たときは、照明の関係なのか、くすんだ感じの紫がかったピンク色が非常に美しく印象に残った。パンフレットの写真と色合いが違うので、店員さんにも「あのバラは何というバラですか?」と確認したが、「ヘレン」だった。
実際はパンフレットの色に近いかもとは思ったが、それでもいいかと思い、帰宅後にバラの家オンラインショップで新苗を購入。
初期生育は遅め
植栽場所は、庭の西側、道路に面したフェンス沿いでの植え込みである。バラの家のホームページで紹介されているとおり、1年目の成長はゆっくりだった。「樹に力がつくまでは蕾を取り続けると良い」とのことなので、春から夏の間摘蕾し続けた。伸びたシュートをフェンスに沿うように方向付けておいた。そのために使用したのは、商品名「ローズスタイリスト」という先にカーブをつけてあるスティックである。
秋にはうっかりして2輪咲かせてしまい、早々に花柄を切ったが、この2輪はまだ本来の美しさではなかったものの、次のシーズンを十分に期待できるものだった。
花付き、花持ちは非常によい
2年目の2018年は、株はまだ小さいが枝や葉の勢いがついてきた。株の大きさの割には蕾も多く、楽しみにしていたところ、4月28日から5月6日にかけて次々に開花した。
ピンク色、ロゼット咲きの中輪花。「中輪花」といっても幅が広いが、これは大き目の方かと。花の重さで垂れてしまう枝もある。
花柄切り後、室内で飾ってみた
風が強い日もあり外側の花弁がいたんでしまったので、終わり頃の花を切って、花瓶に挿してみた。飾ってみるといたんだ花弁はあまり目立たず、花色により部屋がぱっと明るくなる。外からこの部屋に入ると香りも感じられ、心地よい空間となる。
少し早めに花柄切りをすると、室内でも数日間愛でることができ、バラの季節の楽しみの一つである。茎(ステム)が短く飾りにくいことも多いので、いろいろな瓶を用意しておくとよいと思う。
名前の由来は
トロイア戦争の原因となった絶世の美女、ギリシア神話に登場するヘレネーである。
ロサオリエンティスには、他にもトロイア戦争に登場する人物の名をとったバラがある。オデュッセイアは、ヘレンの近くに植えてあり、別記事で紹介する。2017年の第19回バラとガーデンニングショーで見たカリプソも印象に残っているが、今のところ買うのは我慢している。