ルドゥテ Redoute 1992年 イギリス David Austin
淡いピンクの可憐な花
透きとおるような淡いピンク、ロゼット咲きの中輪花。花付きはよく、花持ちはあまりよくない。蕾の色が少し濃いのが、とてもかわいい。
ルドゥテ 2018年5月7日 数輪
ミルラ香の中香のようだが、これまでのところ香りはあまり感じられない。
今年2018年は、5月5日頃咲き始め、１週間ほどで終わった。わーっと咲いて、ぱっと終わる感じである。終わり頃には褪色して、遠目には白い花に見える。
ルドゥテ 2018年5月7日 株全体 まだピンク色
耐病性も樹勢も普通とあるが
2016年10月に、コマツガーデン・オンラインショップで大苗を購入。しばらく鉢植えで管理した後、2017年6月に南側フェンス沿いに地植え。リッチフィールドエンジェルとレディオブシャーロットの間である。ルドゥテは耐陰性が比較的よい方だという情報があったので、庭の中では日照があまりよくない方の場所に植えてみた。
植え付け後は特に問題なく、2017年夏以降、シュートがつる性に伸び始めた。ブッシュ仕立てを考えていたので、冬剪定で短めにしてみたが、今年も伸びたら誘引してみるかどうか迷っている。
耐病性は、黒星病もウドンコ病も中程度とされている。我が家では、植栽場所が湿っぽくなりやすいためかウドンコ病に悩まされ、ウドンコ姫と呼ぶほどだ。しかし、知人が育てている株は特に問題なく育っているので、ウドンコ病に特に弱い品種というわけではないと思う。
また、ウドンコ病で少し弱るせいもあるのか、アブラムシのつき方も我が家で一番である。しかも、アブラムシを食べるテントウムシやヒラタアブの幼虫のつき方はなぜか他の品種よりも少ないので、駆除に少し苦労する。
ルドゥテ 2018年5月12日 株全体 褪色してきたがまだきれい
ところがである。ウドンコ病とアブラムシに悩まされながらも、樹全体は特に弱った様子もなく、新芽は旺盛に出て、いつの間にかウドンコ病も改善し、アブラムシも減り、花付きもよく、株も大きくなっていく。しぶとさという点ではかなりのもので、なんだかんだ言いながらあまり心配いらない品種のようだ。さすが、メアリーローズの枝変わり。
また、後から選ぶ品種が少しずつ最初の好みから変化してきて、初めの方に選んだルドゥテも「他の品種がよかったかな」などと思ったことがある。
しかし、開花期にはまとまりよく雰囲気よく咲き、ウドンコ病などになりながらも着実に成長していくのを見ると、「これはこれでいいかも」と評価し直したりしている。そういう点でも、しぶとさを感じる。
メアリーローズの枝変わり
同じイングリッシュローズのメアリーローズは、一本木公園で見たが、桃色で元気一杯な雰囲気のきれいなバラだった。ルドゥテの方がずっと色が淡く儚げで、雰囲気は全然違う。メアリーローズの枝変わりには、白色のウィンチェスターキャシードラルもある。
メアリーローズ 一本木公園 2018年6月2日 しおれている花もあるが
つる性に伸びて、花枝（ステム）が短めなので、家庭用アーチなどに向いているとされているが、実際育ててみてもそう感じる。アーチの両側に枝変わりの品種を使うのも、花期がずれる心配がなくてよいと思う。やってみたい気持ちはあったのだが、アーチの片側のウィリアム・モリスは決定していたので、断念した。
もっとも、ルドゥテは花期が短めなので、アーチで他の品種と組み合わせる場合には、注意が必要かもしれない。例えば、ウィリアム・モリスとアーチで組み合わせると、ルドゥテが後で咲き始めて先に終わり、ウィリアム・モリスだけ咲いている時期が長くなってしまいそうだ。
ルドゥテ 2018年5月12日 房咲き
似た名前のバラも
ルドゥテの名は、ピエール＝ジョゼフ・ルドゥーテという、バラの絵で有名な画家（1759-1840）にちなんでいる。特に、169種のバラを精密に描いた「バラ図譜（Les Roses)」は有名である。
また、ギヨー社のバラに、「Prix P.J. Redoute」（P.J.ルドゥーテ賞）という名のバラがある。P.J.ルドゥーテ賞というのは、フランスのロワール渓谷にあるリュド城（Chateau du Lude)にて1994年から毎年６月に開かれているフラワーショーで、ガーデニングやボタニカルアートの優れた本に与えられる賞である。こちらはオレンジ～ピンク色の華やかなバラである。