分数ヴァイオリン用に購入した肩当て FOM EVEREST 

肩当て EVEREST 1/2~3/4用
肩当て EVEREST 1/2~3/4用

ヴァイオリンを構えるときに、構えやすくするための「肩当て」という道具がある。

20世紀に活躍した名演奏家で使っている人はあまり見ないし、響きや使用楽器の関係で使わない人もいるようだ。要不要は、演奏技術や体格にもよるようであり、幼児の場合はパッドタイプを使ったり、食器洗い用スポンジなどを輪ゴムで取り付けるなどで済む場合もあるようだ。

また、肩当てを使うかどうかは、指導者の方針によることもある。習う予定の先生は特に何も言っていなかったが、一応用意しておくことにした。

子供に試しに楽器を構えさせてみると、何もなしではやはり楽器が下がってしまう。それではと、家にあったスポンジやミニタオルや滑り止めマットなどで適当な厚みにして当ててみたが、それでも高さが足りないようだったので、一般的なブリッジタイプを買うことにした。

肩当てのメーカーはいろいろあり、価格もいろいろである。先生から「KUN」などとメーカーや商品名を指定されたり(指定する先生も多いようだ)、店頭で実物を試してみたうえで、身体に合った、ずれたり外れたりしにくいものがあればそれを選ぶのがよいだろう。

分数用のサイズがあるKUNの肩当てをインターネットサイトで見てみると、当時、Original (脚が折りたためないタイプ)が3,000円~3,500円前後、Collapsible (脚が折りたためるタイプ)が4,500円~5,000円前後だった。価格は、サイズによって異なり、時期によっても変動がある。

しかし、使用楽器(セットで約20,000円)の値段を考えると、3,000円の肩当てはもったいないように感じた。まあ、そこでお金を惜しむこともないのかもしれないが、KUN でも、Original や Collapsible は、Bravo のように木が使われているわけではないし、サイズも変わっていき使用期間も短い。子供はブランドを気にしていないし、習う予定の先生からの指定も特にないので、低価格のものでよいかなと思い、インターネットで安めのものを探してみた。

肩当て FOM

ヴァイオリンのセットにも入っていることがあり、低価格帯の肩当てではよく見かけるのが、FOMの肩当て。1/16~1/4用、1/2用、3/4~4/4用にサイズが分かれている。

体にあたるブリッジの部分がうねりが少ない形状で、脚のネジも短めのため、高さの調節ができる範囲がやや少な目である。脚の折り畳みが可能な点は、ケースにしまいやすくてよい。

1/4サイズのヴァイオリン用に、FOMの1/16~1/4サイズを1,100円で購入した。

肩当て FOM 1/16~1/4用

肩当て FOM 1/16~1/4用

使用感としては、楽器への取り付けや、子供が構えた感じも特に問題はなさそうだった。しいていえば、構えているときに、若干、楽器がずれたり下がったりすることがあり、気になるようならあて布などで調整しようかと思っていたが、本人がヴァイオリンを構えるのに慣れてきたこともあり、そのまま使っていても大きな問題はなかった。使用期間中に不具合や破損などもなかった。

そこで、ヴァイオリンのサイズアップのときにも、FOMの肩当て1/2用を1,100円で購入。

肩当て FOM 1/2用

肩当て FOM 1/2用

1/2サイズの肩当てを使ってみると、1/4サイズのときよりも、楽器へのフィット感も、構えたときの安定感も今一つだった。おそらく、ブリッジの幅と脚の角度などが楽器の幅や形状と微妙に合わないのだろう。

そして、使い始めて2か月くらいで肩当ての脚の部品の樹脂部分が割れてしまった。肩当てを装着したときに楽器にきちんとフィットしないことにより、無理がかかったのかもしれない。

肩当て FOM 1/2用

肩当て FOM 1/2用 割れたところ

FOMの肩当ての1/16~1/4用と3/4~4/4用の評判は悪くないが、1/2用の肩当ての評判はばらついているのは、同じように楽器に合わなくて早々に壊れてしまうというケースがあるのかもしれない。

インターネットで購入すると、楽器や身体と合うかどうかが買ってみないとわからないところがリスクではある。KUN などの定番の肩当ては、弦楽器を扱っている実店舗で試せることが多いので、定評のあるメーカーの安心感というのはそういう部分にもあるのだろう。

壊れて買い換えるとなると、低価格のメリットがなくなってしまう。また、価格には変動があり、FOMの1/16~1/4用も、1/2用も、2020年8月時点では1,800円前後となっているが、この値段だと、価格の点でのメリットは大分減ってしまう。

肩当 EVEREST 1/2~3/4

1/2用の肩当てを買い替えるに当たって、今度は、少し上の価格帯の「EVEREST」にしてみた。

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

サイズは、1/10~1/4用、1/2~3/4用、4/4用に分かれている。これは脚が折りたためないタイプだが、折りたためるタイプもあるようだ。ブルーを3,000円くらいで購入。2020年8月時点でも、2,500円~3,000円前後とあまり価格は変わっていない。

届いたのを見ると、作りはしっかりしている。3/4サイズにも対応しているので、当分はこの肩当てで済む。

EVERESTの肩当ては、ヴァイオリンにはめる部分の形状に特徴があり、KUNなどの一般的なものとは違っている。使ってみると、かなりがっちり楽器に装着することができ、外れにくく、弾いているときに肩当てがずれたり落ちたりすることはまずない。外すときにも外しにくいほどだが、楽器に跡がついたりはしていない(※安い楽器なのでニスは固そう)。

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

ネジの穴の位置で、脚の位置を調節する。1/2サイズのヴァイオリンでは、脚の位置は一番内側のネジでちょうどよかった。3/4にサイズアップするときには、ネジの穴の位置を外側に変えて調節することになる。

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

肩当て EVEREST 1/2~3/4用

カラーヴァリエーションが多い点も特色である。販売サイトにもよるが、色によって価格が違うことも多いので、購入時には色と価格をよく確認するとよいだろう。

子供には好きな色を選ばせたが、気に入って使っているようである。

EVERESTの肩当ては価格の点では、KUN の Original とあまり変わらない。KUN にしなかったのは、脚の形の違いと、好きな色を選べる点で、EVERESTにちょっと興味がわいたから。

肩当てによる響きの違いは、正直にいってよく分からない。低価格帯の分数楽器で、弾き手も普通の小学生であり、響き云々というレベルでもなく、外れにくさの方がありがたい気もするので、特に不満はない。

フルサイズ(4/4)のヴァイオリンになったときは、もう少し上の価格帯の肩当ても考慮してみようと思うが、フルサイズにサイズアップする頃まで続けられるかどうだろうか。

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