ジュード ジ オブスキュア 2018年春の花

ジュード ジ オブスキュア Jude the Obscure 1995年 イギリス David Austin

丸いカップ咲きのバラ

5月5日頃開花。我が家のバラの中では中くらい~やや遅めの方だ。ボールのように丸いカップ咲きの中輪花で、最後まで丸い形を保つ。やわらかい卵色は他の黄色系のバラよりも落ち着きがあり、少し褪せた色も美しい。ほんの少し、ミルクティーを思わせる。毎年楽しみなバラである。

すばらしい香り

白ワインを思わせると表現されることもある独特のフルーツ香の強香種。咲き始めると本当にうっとりする。バラの香りにあまり反応しない男性(夫)にも好評の香りである。

2016年10月に、コマツガーデン・オンラインショップで大苗を購入。購入時についていた蕾は、誤って1個折ってしまい、ひどくがっかりしたのを覚えている。残った蕾が咲きそうになってから開くまでが待ち遠しかったが、ようやく開花すると形も香りも素晴らしく、迎えてよかったとしみじみ感じた。

初期に購入したジュードジオブスキュアとシャリファアスマの香りは、バラに魅惑された大きな理由の一つだったと思う。

あまり元気がない(涙)

2017年6月に、庭の西側フェンス沿いに地植えした。購入後に鉢に植え替えたのだがそのときの土があまりよくなかったのか、昨年は花は少なく、地植えの際に鉢から出すと、根の状態が今ひとつだった。

植栽場所は日照がよい方だが、今年の春も元気があまり出ないまま一番花が終わってしまった。シュートも出ないし葉も少なめで、購入以来あまり大きくなっていないのが気になる。

耐病性は中程度以上で、特に、うどんこ病耐性は強めだと思う。隣のマルクアントンシャルポンティエがうどんこまみれにもかかわらず、ジュードジオブスキュアは大丈夫なのだ。害虫の被害も、それほどでもなかった。

隣に植えたマルクアントンシャルポンティエに勢いがありすぎるので、一番花の後、伸びてジュードの上にかかってきたマルクアントンの枝を切っておいた。これでもう少し伸びてくれるだろうか。

基本的には強健種のはずなので、どこかの時点で勢いがついてくるよう願っている。

返り咲き性は

花弁が多いためか、花が咲くまでに時間がかかる。咲く頻度は、昨年は春に1回、秋に1回程度だったと思う。花付きも、春も秋も多い方ではない。

しかし、1つの花の存在感も、得られる満足感も大きく、おすすめのバラである。

名前はトマス・ハーディの小説から

ジュード ジ オブスキュアの名は、トマス・ハーディの同名の小説にちなんでいる。邦訳では「日陰者ジュード」の題名で出版されている。ハーディの小説はわりと好きだが、読後感が重いものが多い。「日陰者ジュード」も救いのない終わり方である。

主人公のジュードは外見もよく、真面目で向学心に燃える青年である。いとこのスーと愛し合い、その考え方や生き方を尊重しようとする。しかし、思うように生きられず不遇なまま死んでいく。

美しく香りもよいこのバラが、ジュードジオブスキュアと名付けられていることに、何となく慰めを感じる。

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