今年は、チュウレンジハバチが昨年よりも多いように感じる。
被害が多いのは、バレリーナ、アルテミス、スピリットオブフリーダムあたりだろうか。
バレリーナの枝で成虫を1匹見つけると、同じ枝や隣の枝にほかにも2~3匹が産卵中ということも、何度かあった。ウィリアム・モリスは被害は少なめだが、やはり同時に4匹が産卵中ということがあった。
※ 記事中にチュウレンジハバチの幼虫の画像があります。
憎きチュウレンジハバチ
バラを育て始めると、割とすぐに気づくのが、チュウレンジハバチの被害である。
バラの本などで害虫として写真つきで説明があり、成虫も幼虫も目立つし、被害が進むと葉が葉脈だけになるので、見ればそれと分かる。子供もすぐに覚えて、見かけると「チュウレンジハバチがいるよ」と教えてくれるようになった。
下の画像はアルテミスだが、黄色で囲った部分が、チュウレンジハバチの幼虫に食べられて葉脈だけになった葉(左側)と、葉の端にとりついて食害中のところ(右側)である。
最初の頃は、卵を産み付けられた枝がどんな見た目になるのかよくわからなくて気づくのが遅れたし、幼虫にもかなり葉を食われてから気づくことが多かった。バラを植えてすぐの頃はまだ枝も葉も少ないので、枝葉が1本でも一枚でも減るとスカスカになったようで、腹立たしかったのを覚えている。
今は、卵を産み付けられてすぐか、時間が経ったところか、幼虫がふ化して出てきた後かは、見ればわかる。また、見慣れてくるとぼんやり見ていても枝葉の異常や様々な昆虫に気づくようになるもので、チュウレンジハバチについても、卵を産み付けられた枝や幼虫が小さいうちに見つけられるようになり、被害は少なめですんでいる。なかでは、アルテミスは上の方の枝に産卵してあることが多く、よく見えないので気づくのが遅れる。
バラが育って大きくなってきたので、枝を多少切るのも気にならなくなり、チュウレンジハバチの被害にあった枝は、枝ごと切って捨てることも多い。
被害にあった葉
下の画像はスピリットオブフリーダムにいたチュウレンジハバチの幼虫。天気が悪かったのと、あまり見ない側だったので、その間に少し大きくなっていた。
下の画像には糞も写っているが、チュウレンジハバチの糞は結構目立つので、それで気づくこともある。
それにしても長雨で幼虫も弱っているようにも見える。
チュウレンジハバチの幼虫は冷たい雨に長くあたると、動かなくなってそのままのことがある。画像のチュウレンジハバチは弱ってはいるが活動中。
上のチュウレンジハバチが出てきた痕。たくさん産み付けられたところは、もっと大きな痕で枝が弱くなっていて、風でそこから枝が折れてしまうこともある。
写真を撮った後、幼虫がついていた葉は葉柄ごと取り除いて捨てた。
成虫の退治
成虫は黒い羽にオレンジ色の腹で、覚えやすいし目立つので、わりと見つけやすい。
卵を産み付けている最中の成虫はすぐには動けないので、飛び回っているときや、枝にとまってすぐよりも、産卵中の方が捕まえやすい。イヤな話だが、捕ったときに、枝に刺さった卵管が残ってしまうこともあるくらい、しっかり刺さっている。
卵を産みつけられた枝は黒い線状の傷があるので、見回っていると気づく。
時間が経つとだんだん傷口が開いてくる。下の画像は、上の画像とは別の枝。産卵したてではないが、ふ化するまでまだ間がありそうだ。
つまようじや針などで卵をつぶすことはできるが、私の経験では、つぶしきるのは意外と難しく、残った卵から幼虫が孵化することもある。卵が残らないように念入りにつぶしていると枝も結構傷んでしまう。
卵をつぶすときは、産み付けられて時間がたっていないときよりも、孵化直前くらいの方が枝の傷が木化していてつぶしやすかった。それでも枝は傷むので、最近は、産卵されたところから枝を切ってしまうか、孵化してから幼虫が1~2枚の葉に集まっているときに葉を取り除くことが多い。
カマキリがチュウレンジハバチを捕まえた!
ある朝、バレリーナの枝にチュウレンジハバチがいるのを見つけたので、捕まえようとするとさっと緑色の影が。
何が起こったのかよく分からなかったのだが、よく見ると、カマキリがカマでチュウレンジハバチを捕まえている。まだ小さいカマキリだ。
カマキリの邪魔をするつもりはなかったのだが、こうなるまでカマキリに気づかなかった。
慌ててカメラを用意して、さらに写真を撮ろうとしていたら、見られて落ち着かないのか、カマキリはチュウレンジハバチを押さえていたカマを離してしまった。チュウレンジハバチはその後もしばらく枝に止まっていたので、産卵し始めたらまた捕まえるかなと思って後で見に行ったら、チュウレンジハバチはいなくなっていて、カマキリだけがいた。
チュウレンジハバチは逃げてしまったのだと思うが、興味深い場面を見ることができた。