マルクアントンシャルポンティエ Marc Antoine Charpentier 2005年 フランス Dominique Massad
何といってもよく咲く
マルクアントンシャルポンティエの特徴は、とにかく花つきがよいことだろう。毎年、本当によく咲く。
一番花はゴールデンウィーク明け頃に咲き始め、5月中旬~下旬に見頃を迎える。
マルクアントンシャルポンティエは花が多いので、咲くと庭が一気に華やかさを増すのだが、他のバラよりも見頃が遅めなのがやや惜しい。
房咲きで、中央の花だけが咲いているときは、まだまだこれからという感じである。
花持ちはよい方だが、房咲きの周りの花が咲く頃には中央のバラは傷んでいることもあり、中央の花がらは早めに切ることもある。
一輪で咲くこともある。
気温が上がると一気に咲き進む。
色合いも花弁の質感もよい。花弁の先がちょっととがっているのがかわいい。
咲き進むと褪色してくるが、花持ちがよいので、見頃も長めである。
病害虫には強い方
一番花の後の新芽がうどんこ病になることがあるが、黒星病には強い方だ。梅雨から夏にかけて、黒星病で葉を落とす品種も多いが、マルクアントンシャルポンティエはダメージが非常に少ない。葉もたくさん残し、二番花もたくさん咲かせる。
うどんこ病も、枝が混みすぎているのを間引くと改善される。生育旺盛すぎて、細かい枝がたくさん出るのだが、なにしろ一番花のときに既にギュウギュウだから(下の画像は一番花)、さらに新芽が出ると蒸れてしまうようだ。
ティー系のよい香り
中香と紹介されているが、昨年まで殆ど香りは感じなかったのだが、今年になって、香りを感じるようになった。
隣に植えてあるのがジュードジオブスキュアとレディエマハミルトンという、イングリッシュローズでも屈指の強香種だけに、マルクアントンシャルポンティエは香りの点では陰が薄かったかもしれない。
特にレディエマハミルトンは、蕾が数個しかないときでも香りが周囲に漂うほどなので、レディエマハミルトンが咲いているときにはそちらに気がいってしまいがちだ。
しかし、マルクアントンシャルポンティエの二番花がたくさん咲いていたときに、香りを感じた。他のバラは咲いていないので、マルクアントンシャルポンティエの花に顔を近づけてみると、ティー系のよい香りがした。たしかに、マルクアントンシャルポンティエの品種の紹介にはティー系の中香とあるが、こんなによい香りだったのか!
ティー系の香りは穏やかで上品で、和む香りである。
香りがあまりないのをものたりなく感じていたので、こんなによい香りだとは嬉しい。
存在感が一層増したマルクアントンシャルポンティエであった。