ウィリアム・モリス William Morris 1998年 イギリス David Austin
一つ一つの花の色合い
ウィリアム・モリスは、今年もたくさんの花を咲かせた。
花付きもよく美しく、葉も多く、病害虫にも比較的強く、非常に優秀なバラである。条件面だけでなく、枝ぶりや咲いた花の様子なども素晴らしく、本当に好きなバラだ。
こんなに優れたバラがカタログ落ちしたのが謎であるが、幸い、苗の販売を続ける店や販売を再開した店もあるので、引き続き入手可能なようである。
さて、今春一輪目の開花は4月28日で、早い方だ。様々な色合いが混じり合った花弁が、美しい。
ゴールデンウィーク中にどんどん咲き出すが、蕾が多いのでその後も2週間くらいは次々と咲き続け、見頃はかなり長い。ゴールデンウィーク頃から、5月中旬過ぎ頃だろう。
咲き始めから、最後まで美しい。花の色は個体差があり、上の画像と下の画像の開きかけの花でも色合いが少し異なる。冬に苗を買って、最初の春に最初の蕾が開き始めたのを見たときは、オレンジ色に近かったので間違った品種が届いたかと思ったほどだった。
一輪一輪に表情があるところも好きだ。
樹形の自然さ
花枝は長めである。アーチに誘引しており、花が下向きに咲くのはよいが、ほどよい以上に長いので、アーチから外れて咲く花も多い。5月以降どんどん乱れてくるので、気になる人は気になるかもしれない。
アブラムシやバラゾウムシ(クロケシツブチョッキリ)はつくにはつくが、特に被害がひどいというほどでもない。アーチの上の方は害虫退治が行き届かないので、被害が少なめなのは助かる。
黒星病にも少しなるが、それほどひどくならず、病害虫には強い方だろう。
房咲きでよく咲く。
枝は多くてしなやかなので誘引もしやすいが、花付きもよく葉もしっかりしていてよく繁るので、わりとどんな風に仕立てても春はきれいに見える。
花枝(ステム)が長めなのと、一番花の後サイドシュートが伸びるので、樹形は乱れてくるが、自然な感じが好きなので私はあまり気にしていない。
カタログなどの写真で見るよりもずっとよいといつも思う。
香りは中~強香と紹介されているわりにはそれほど強く感じたことはないが、年々強くなっているようで、最近はたまにティー系の香りを感じる。ティー系に若干フルーツぽさや草っぽさも混じったような感じで、表現が難しいが上品な香りだと思う。
庭に植えるバラを選ぶときには香りも考慮したので、香りのよいバラもそこそこ植えてある。植えてみて感じたのは、香りは、思っていた以上に大事な要素だということだ。どのバラもきれいな中で、香りも好きなバラの存在感は結構大きい。
ウィリアム・モリスは、昨秋テッポウムシ(ゴマダラカミキリの幼虫)の被害があったもののそれほど調子を落とすことなく、今春もよく咲いたので本当によかった。