リッチフィールドエンジェル Lichfield Angel 2006年 イギリス David Austin
安定感のあるクリーム色のバラ
リッチフィールドエンジェルの一番花。カップ咲きの美しい中輪花である。
色はクリーミーアプリコット、香りは微香で一時的に強いクローブの香りがすると紹介されている。実際の花は咲き初めの色は少し濃いめだが、色はほぼクリーム色~オフホワイトという印象。また、クローブの香りはこれまでのところ確認できていない。
我が家のバラの中では最も遅い開花。咲き初めは、5月7日と他のバラより少し遅めという程度だったが、咲きそろったのは他のバラの一番花がほぼ終わった頃だった。品種選択の際は、花期が遅い点は考慮した方がよいかもしれない。
花付きはよく、花持ちは普通程度で、終盤まで色や形の変化が少ない、安定感のあるバラである。
生育旺盛なバラ
2017年6月に、コマツガーデンの実店舗ロサヴェールで大苗を購入。庭の南側のフェンス沿い、アブラハムダービーとルドゥテの間に地植えした。隣家の陰になるので南側でもそれほど日照はよくないのだが、アブラハムダービー同様、リッチフィールドエンジェルも1年目から生育旺盛で、日照不足は感じさせない。
2017年の夏には、たまたま夜眺めていたらゴマダラカミキリがかじりついており、急いで捕殺。何本か枝をかじられていたが、他のバラには被害はなく、その後株元に注意していたが卵も産み付けられていないようで、よかった。
成長が早かったので、2017年の秋のバラも十分楽しむことができた。
ブッシュ仕立てにするつもりで、冬剪定では短めにしておいたが、春先の成長は順調。強健種とされているとおり、ウドンコ病にも黒星病にもかかりにくく、アブラムシさえ他のバラよりも少ない。ステム(花枝)も蕾もしっかりしているためか、バラゾウムシの被害も他のバラよりも少ないようだ。世話いらずの頼もしいバラである。
一番花の後、株元から立派なシュートが何本も出てきて、ぐんぐん伸びた。伸び方や枝につるっぽさはなく、フェンスなどに沿わせる程度以上の誘引には向かなそうだ。
似たバラ発見
先日、長野県中野市の一本木公園を訪れたとき、イングリッシュローズのエリアで、ぱっと見てリッチフィールドエンジェルかな?と思ったバラがあった。
名札を見ると、ペルディタ。帰宅後調べてみると、1983年作出のアプリコットピンク、強香、四季咲きのバラ。今はあまり流通していないようである。一本木公園ではリッチフィールドエンジェルが見当たらなかったので、比べてみることはできなかったが、結構似ていたと思う。
ちなみにペルディタは、シェークスピアの「冬物語」に登場するシシリア王女の名。イングリッシュローズのジェントル・ハーマイオニも、同じ「冬物語」のシシリア王妃ハーマイオニの名にちなむ。
名前の由来は
リッチフィールドエンジェルの名前は、イギリスのリッチフィールド大聖堂で2003年に発見された、ライムストーン(石灰岩)の板に彫刻された天使の像にちなむ。8世紀頃のものらしい。彫刻された天使は、リッチフィールド大聖堂の公式サイトで見ることができる。